かこさとしさんの絵本を読むと、その絵からも文章からも子どもへの心からの優しさと思いやりを感じます。
1冊好きなのを挙げなさい、と言われたら、「にんじんばたけのパピプペポ」を挙げます。かこさとしさんの文章は一見文字が多いように感じますが、リズム感があって読み返すうちに言葉に出して読むのが楽しくなってきます。言葉の端々に励ます言葉が散りばめられていて、勇気をもらえます。
この絵本に限らず、どの登場キャラクターにも表情があって読み込むうちに自分の親友のような気がしてくるから不思議です。
うれしいことにこの「にんじんばたけのパピプペポ」のぶたの一家のイラストが室内に大きく描かれていて感動しました。訪ねた甲斐がありました!
かこさとしさんの作品は、おそらく日本に住んでいる人なら誰もが必ず1冊は手にとって読んだり見たりしたことがあるでしょう。私の子どもの頃の本棚には「海」が今もあります。
潮干狩りをしている陸の場面から深海まで、ページをめくる毎にどんどん深くなっていく様子を生き物の名前や海底の地形の様子、地球の様子や人々の営み、歴史をハラハラしながら探訪できます。名作中の名作だと思います。
かこさとしさんの作品はとても多くて、紹介しきれませんが、ここ「かこさとしふるさ絵本館砳」に行くとたくさんの本や原画を見られます。私が訪れた時は「あかいありとくろいあり」の原画の展示がありました。
先にも紹介したように愛情あふれるタッチを近くで見られ、一生懸命に子どもたちにお話を伝えたいという熱意を感じます。
私もこの姿勢を見ならって少しでも良いものを作れるよう励んでいきたいと思いました。
絵本館は定期的にプログラムを入れ替えて展示しているので、また違う季節に訪れたいと思います。