ヘレーネ・クレラー=ミュラーが収集したゴッホの作品群を名古屋市美術館で鑑賞しました。
展覧会では、作品を収集するにあたり、その作家を語る上で必要なポイントとなる作品をバランス良く集めることの大切さを知ることができました。個人の主観だけでなく、ストーリーを重視して収集することの大切さです。
ゴッホは短命でしかも画業を始めたもの遅いため製作期間が短期間でしたが作品点数は比較的多めです。
ヘレーネ・クレラー=ミュラーは初期の素描と非常に暗いタッチの重々しい労働者の絵から、印象派と日本の浮世絵の影響を受けた華やかな色彩と構図の作品までをバランス良く集めていて、そのおかげで、どのようにして個々の作品が作られたのか、ゴッホの心の内面の移り変わりを想像しながら鑑賞することができました。
ヘレーネ・クレラー=ミュラーは、1938年に念願のクレラー=ミュラー美術館を開館して、翌年に亡くなったとのことですが、その生涯には世界恐慌により事業が苦境に追い込まれる中も美術館開館の夢を諦めない心の強さも感じました。