岐阜県現代陶芸美術館で、ニーノ・カルーソの作品を観てきました。
壁面を構成する作品や、門、柱をイメージする作品が印象的でした。
若き日は旋盤工として働いた経歴を持ち、ローマの工房で陶芸と出会い周囲の反対を押し切って陶芸による芸術の道に進んだというニーノカルーソ。
発泡スチロールで型を作りそれを組み合わせて造形する独自の創作方法が、建築との親和性が高いことから、壁面や柱がどことなく神話の世界を感じさせる奥行きの深いものとして表現されていた。
一つひとつの作品でも充分に美しいのだけれど、家の壁や門柱に実際に使われ機能していたら、そこに自分が住んでいたらどんなに豊かな気持ちになれるだろうかと想像するだけでも楽しい時間でした。
コストダウンと性能を高めるため、どことなく味気ないモノが街に溢れているけれども、誰もが個性あふれる芸術家や作家さん、職人さんの心のこもったものに囲まれ生活できる社会が真に成熟した社会なのではないだろうか。
そんな未来が訪れることを願っています。
